あることがきっかけとなって、うつ病について初めて調べてみた。
精神的に不調だった学部生の頃、自分は統合失調症ではないかとか、強迫神経症だろうとか、ある種の人格障害ではないかとか、勝手な自己診断をしていた。しかし、なぜかうつについては考えたこともなかった。
いわゆるうつ病は、すべての活動への関心・興味の著しい減退がみられるのが、診断基準のひとつであるが、わたしにとって大学生活は、研究者への道の途上にあって、決してすべての関心興味の減退であるはずがなかった。
しかし、対人恐怖的な問題は確かにあって、それは生活史におけるイベントに端を発していて、一過性の心因的ストレスによるものであることは明らかだった。
道の途上にあったせいか、平素に自殺したい気分はなかった。しかし一度だけだが、よく見る悪夢によって、突発的に3階の自宅ベランダから飛び降りようとしたことがあった。
それらを総合的に考えると、非定型うつ病の気配が感じられなくもない。
わたしは、その後もずっと、心を掘り下げる読書や映画鑑賞に時間を使った。そして、そのときに心に浮かんだことを日記につけ、そして、その無自覚な思考パターンを意識の俎上にのぼせることを繰り返した。それはここに何度も書いてきたことであるが、まさに認知療法を知らず知らずに自発的に行っていたことになるのではないかと思う。
であるとするなら、自分はうつから回復したのだということも出来るのではないかと思う。
そんなわたしが思うのは、心因的なストレスによって低下せざるを得なかった脳機能の回復とは、そのストレス原因を、掛け値なく、正面から見つめなおすということだったのだと思う。
そんな出来事を経て、今でも人の心に関心がある。その関心が薄らぐことはないように思う。
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