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仕事と勉強は対立するのか

 大学院生でさえ、お勉強とお仕事の感覚がずれてしまっているように思う。学生だから勉強するのは大事なのは否定しない。でも、もう小学生じゃない。社会とのつながりを考えなければならない時期に来ている。だから、勉強だけじゃなくて、お仕事としての研究という視点を想像しつつ打ち込んで欲しいと日々考えている。一旦、勉強を忘れてみようよと。
 一旦突き放して考えてみようよという視点は、勉強漬けだった学生上がりの諸子には違和感があるだろう。しかし、勉強ばっかりしていて、それが現実とは離れた理想的な何かを志向していても、それに気付かずどんどん現実から離れていく。それは既に勉強の意味から外れてしまっている。

 われわれは生きるために必要だから仕事をするとしても、生きる知恵を身につける勉強だって大事だ。でなければ学校でする必要なんてない。学生にしてみれば(といってもみんな経験があるはずだ)、面白くない、これがなぜ大事なのかあまり明確には分からないことを、熱心にしなければならない現実に適応するために、日々努力しているわけで。そんなスタンスで勉強するのに慣れているし、それで生かされている感じがするから、知恵を現実に結びつけるところに思い至らなかったり、うまく行かなかったりするんだろう。

 頭の柔らかい若いうちに勉強をしておいた方がいい、だから若いうちは仕事(手伝いとか生きるために必要なこと)なんてしなくていいなんて、本当か嘘か分からない話が実しやかに語られているのは気味が悪い。長い目で見ているとはいえ、生きるための知恵を学ぶのに、臨機応変でなくてどうするっていうのか。

 親も長生きで、若いうちはぬるま湯のように生きられる現代で、なんで仕事するのかがきちんと伝わっていないんじゃないか。勉強だって突き詰めて行けば研究になり仕事になりうるわけだが、普通は与えられたことがなんとなく分かったというところでお終い。まあ、物事には限度があるので、なにもみんな哲学者になれとは誰も言わないが、生きるために何かをするなら、人や現実とのかかわりの中でなにかを選んで突き詰めなければ。その感覚を掴まえていたら、仕事だって勉強だってそれなりに楽しく出来るんじゃないかなと個人的には思う。

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Comments

最近、いろいろあり久しぶりに覗いて見ました。初カキコです。
15回くらい更新を繰り返して7777をGetしました!(証拠アリ) なんか下さい!

確かになんとなく勉強するほど時間を無駄にしていることはないっすね。目的、目標から逆算して準備することが勉強のような気がします。っていうか、修行ですね。戦後の苦学生のように、良い大学=生活の安定、ではないこのご時世では勉強の意味が違ってきているじゃないでしょうかねぇ?社会とのつながりまでいかなくても、自分のモチベーションのなさや協調性のなさが表面的には害を及ぼさなくても、集団にとってその存在が害ってことに気づいてほしいものです。まぁ、自分もgoing my wayですけど(笑)。

Posted by: Machy | July 12, 2004 at 05:18 AM

 コメントありがとうございます。

 慣れっていうのは恐ろしいですね。わたしは環境を何度も変えているので、なかなか慣れることが出来なくて、それもまた困りものなのですが。
 仰るとおり、社会とのつながりっていうのはそんなに大げさなことじゃなくて、身近なところから気付いていくことが大事だと思います。個人の利益とか思い入れを追求しているだけで、集団への感謝も当事者意識もない。そろそろそのあたりを意識的に考えていくようになってくれたらいいのになと思います。

Posted by: Dr. Pease | July 12, 2004 at 10:35 AM

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