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人の海の中で

 友人と山手線のある駅で待ち合わせをする。

 高々十数分、ただ立ちんぼうの私の前を、数百数千の人が行き交う。

 この人たちにも、静かに向き合えば伝わってくる愉んだり苦悩したりする日々があるんだと思うと、変な気持ちになる。

 変な気分ついでに、この雑踏の中に奇声を発して飛び込んで行ったらどうなるだろうと思う。そんなことを考えてみたりするいつもながらの奇妙な自分を発見する。そんなことをしてもなにも変わらない。ただ、そのときだけ好奇の目を集めるだけだ。

 今、いい結果を求めて研究に勤しんでいるが、そのことがなんだろう。街を行く彼らの生活に何かを与えることが本当に出来るのか。すぐには見えない人と人との錯綜したネットワークの中に、確かにわれわれは生かされているとしても、その頼りない係わり合いをどうやって確信したらいいのか。この仕事も、そのときだけの好奇を得るためだけのことではないのだと、言い切れるか。

 こんな変な気持ちに慣らされたら、きっと…。日常の関係性を見つめること以外、道はないのだろうか。

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